令和4年度
特別養護老人ホーム光が丘
所在地(市町村)/金武町
業種/医療福祉(介護サービス)
事業内容/特別養護老人ホームの運営
従業員数/64名
自社の魅力を再認識し、評価基準を整備
求人が難しい業種だと思いますが、これまでどのような求人を行い、どのような課題を感じていましたか?
業界全体として人手不足な上、立地的な不便さにより長らく求人が難航していました。金武町は人口1万人を切る町であり、金武町に住んでいる方であっても、近くの沖縄市に働きにいくことが多いんです。求人誌、ハローワーク、チラシの自作とポスティングなど、あらゆる方法を試しても結果が出ず、創業当初から約30年間求人を出し続けている状況です。
この事業を知ったのは、採用コンサルタントの小宮さんがきっかけでした。以前小宮さんのセミナーに参加し、小宮さんが提唱する「レンアイ型採用」のインパクトに驚きました。「これまで求人がうまくいかなかったのは、書き方に問題があったのかもしれない」、そう思いレンアイ型採用を学びたいとご連絡したところ、事業を通して採用を学べると知りました。恋人を口説く決め台詞のような、インパクトのある「レンアイ型採用」の言葉選びをぜひ学びたいと思い、参画することにしたんです。
2名の専門家がコンサルティングを行ったそうですが、どんなことを行いましたか?
まず小宮さんが職員5~6名をヒアリングし、求人用の言葉集めを行いました。当施設は重度の方が比較的多いのですが「なぜ重度の方が多い施設をあえて選んだのか」という質問に「ずっと言葉が出なかったおじいちゃんが今日少しだけ出たね、っていう嬉しさを喜び合えるチームがあること」という回答が上がりました。「人員ギリギリで働いているにも関わらず、どうにかして休みをくれるので感謝している」という声もあり、弊社の強みはメンバーなんだと感じました。
声を聞くにつれて「今いるメンバーを大事にする施策も行いたい」という想いが芽生えました。小宮さんに相談したところ、人事評価制度を作りましょうと人材育成専門家の福島さんにも来ていただくことに。社長が評価項目を書き、項目の具体的な内容についてはスタッフが言語化するという福島さんの手法のおかげで、独善的ではない評価制度が完成しつつあります。皆で意見を出し合い言語化したため、結束の固まりも感じました。
2名の専門家とのやりとりで、採用への意識に変化はありましたか?
求人原稿や評価基準の策定は現在進行中ですので、まだ採用に至ってはいませんが、これまでと状況は変わっていないにも関わらず、焦ることがなくなりました。これまでは人が欲しくて、面接に来た方は多少違和感があっても受け入れていましたが、今は面接でしっかりと目の前の「人」を見て、チームに合う方を採用したいと考えています。
言葉の使い方を意識するようにもなりました。例えば「いい職場です」「地域に根付いた」という言葉を一切辞めました。その代わりに書いたのは「やっていること」「事実」です。小宮さんの言葉を借りると「モテる奴は俺モテますって言わない」ということ。職場の良し悪しは、こちらが書くのではなく求職者に判断してもらえばいいと思うようになりました。
評価制度の作成では、感覚を言語化する作業はとても難しいものでした。けれど言葉を全員で絞りだす作業は、考えを言語化する訓練になると同時に、お互いの理解にも繋がったと感じています。
取り組みの成果